炭素税
環境税の一種で、二酸化炭素の排出に対して課される税のことを言う。但し、炭素の排出量を監視するのは困難であるため、通常化石燃料の価格に上乗せする形で賦課される。炭素税には二酸化炭素の外部不経済を内部化するためのピグー税と、あらかじめ設定した排出水準に抑制するためのボーモル・オーツ税とがある。前者は化石燃料中に含まれる炭素量に相当する社会的費用を金銭換算し税率を決定するものであるが、この課税方法は社会的費用の算出が困難であるため、実際の導入例はない。後者は目標排出水準を達成するように試行錯誤的に税率を決定するものである。同税は北欧4カ国とオランダで導入されている。
排出許可証取引
行政が排出可能量を上限として汚染物質の排出に関する許可証を発行し、その排出の権利を他の排出源と取引することを認める制度である。排出許可証の市場価格が提示されることにより、排出源に効率的な排出削減の動機を与えると同時に、環境基準や排出総量目標を達成することができる。アメリカ合衆国の電力事業者間で同制度の適用例がある。また、近年では地球温暖化防止会議で、温暖化効果ガスの排出権の国家間取引が議論されている。地球温暖化ガス削減のための経済的手段として、環境税(炭素税)と並び議論される。