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旅客船事業の参入・退出制度

経済活動において市場原理を活用するためには市場への参入・退出を自由とすることが重要である。旅客船において、参入についてはこれまでの免許制から一定の要件を満たせば参入を認める許可制へ変更することが適当である。参入の際の審査要件は、安全確保や事業遂行能力といった最小限のものに限定する。退出についてはこれまでの許可制から届出制へ変更する。旅客船については、鉄道、トラックなどと同様、1996年12月に方向が打ち出された需給調整規制の撤廃により、こうした変化が実現している。

 

旅客船の標準運送約款制度

旅客船においては、貨物と異なって一般の消費者に輸送サービスを提供する。このため多くの場合、サービスの質について利用者は供給者ほどの情報を有していない。こうした不特定多数の利用者についても契約関係が迅速かつ容易に成立できるよう、画一的かつ一律に適用される契約の仕組みを指す。共通に含まれるものには、約款の適用範囲、運送の引き受け義務、運賃及び料金、旅客および自動車運転手の義務、賠償責任、連絡運輸等がある。

 

 

 

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