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08 旅客船

 

国内旅客船事業における需給調整規制廃止(2001年度)

事業への参入を自由化することにより、事業者の創意工夫及び市場における公正かつ自由な競争を通じた事業活動の活性化・効率化を図り、サービスの多様化や高度化、運賃の低廉化等、利用者利益の増進を図ることを目的としている。需給規制廃止後の事業制度のあり方については、国内旅客船事業の公共交通機関としての役割を踏まえ、市場原理の導入による利用者利益の増進が最大限発揮されるようにしなくてはならない。参入・退出規制や運賃制度、また安全確保や利用者保護の観点からの規制について社会経済状況の変化に応じたものとなるよう適切に見直し、必要最低限の規制に限定する方向で検討しなくてはならない。

 

生活航路維持方策

生活航路とは以下の条件に該当する航路のことである。(1)離島と本土とを連絡する航路か、離島相互間を連絡する航路、これら以外で陸上交通機関がない、または陸上交通機関によることが不便な地点間を連絡する航路。(2)日常生活のために必要不可欠な目的地と離島等を連絡する航路。住民や生活物資等が輸送されている航路。その他観光客や産業物資が輸送されている場合も含まれる。需給調整規制の廃止によって参入・退出が自由とした場合、部分的、一時的な参入、クリーム・スキミングが生じることにより、その維持が困難となるおそれがあることなどから、市場原理の導入によるメリットよりもデメリットの方が大きいと考えられる。このため、経営効率化措置にもかかわらずそのサービスを維持するのが困難な場合は、国及び地方公共団体が、生活交通サービスを維持するために財政上・税制上の適切な支援措置を講ずることが適当である。

 

 

 

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