質問 先ほど、金沢八景の中で人工海浜の砂浜にアオサの山がありました。あれを処理されるのに大変ご苦労されているという実態はよくわかるのですが、最終的に先ほど学者の皆さんも象牙の塔から一般市民のほうへ降下していただく。
そういうことも含めて、このアオサの科学的な利用方法について、すでにある学者が出版物の中で、これは有害物質でも何でもなくてむしろ宝の山だと言っています。この宝の山の利用法を一学者の一説だけに終わらせないで、先ほどおっしゃった行政あるいは国の機関等々を通じて、アオサの有効利用というものを広く呼び掛ける。そのほうが問題処理には非常にいいのではないか。
環境問題もそういったことの中で解決していく。お邪魔虫を整理するために、お金を使い、いろいろ労力を使って、むしろ問題を複雑化させるよりも、それを有効利用していく。そうなった場合、まさしく金沢八景のあのゴミの山は宝の山に変化する。こういう考え方はいかがなものでしょうか。
工藤 まさにおっしゃるとおりです。私自身も、横浜市のアオサの資源化、あれはゴミではなく資源だという見方から、資源利用する検討会にも入っています。横浜市のほうでは、青のりふりかけとして、人間が食べる食用として第一に利用しようと考えている。
第二の利用として、食用にするほど質のよくないものは家畜の餌、特にニワトリの餌に入れ込むと非常にカロチノイドが高く、ヨード卵のようなよい黄身、栄養的にも非常によいものができるということです。三番目の利用としては有機肥料の材料に使う。そんなこともターゲットに入れて、市がアオサの食用化プラントというのを計画していたんです。
しかし、ここのところ財政が非常に悪くなってしまって、いつ実現するかというのはわからないのですが、ビジョンとしては行政、それから学界、市民の両方の立場でそういった検討の場に出ています。いずれの日か、あれが本当に宝の山に生まれ変る日が来るかもしれません。
質問 どうもありがとうございました。もう一つ、先ほど人工海浜の消耗が非常に激しいとおっしゃいました。四、五年前ですが、業界団体、大日本水産会あたりが中心になって「日本の渚 100選」という運動を展開しました。