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そんな人工海浜はここにあります。これは金沢八景周辺で、一方ここ野島海岸は周りが埋め立てられたり、人工海浜がつくられたり、人工島がつくられたりする中で、500メートルだけ自然の浜が奇跡的に残っています。ここは私がいま市民活動の中で生き物を観察したり、海浜清掃したりして、環境復元の可能性を探っている場所です。

これは山下公園の海浜清掃をやっている、海をつくる会です。長い歴史があるのですが、年に1日だけそこをダイバーの開放区にしています。これも手続きが大変なんです。ああいう船が激しく通るところを潜らせるには、海上保安庁に許可を取るのですが、いまのところもう16回、17回を迎えて無事故で来ているのでそれが一番の誇りです。

引き上げられたゴミは分類して、種類ごとのデータを取っています。これを国際的な機関にデータとして送っていまして、前回この海事講演会で講演なさった小島あずささんの団体と一緒にやっています。

<スライド>

それから、ゴミを片付けるだけではなく、生き物がこんなにいっぱいいるんですということを見せるために、スタッフがその場で潜って捕まえてきた生き物を即席の水族館に仕立てて展示したりしています。本当にわずかの採集時間でいろいろな生き物が捕れて、こんなにいろいろなものがいる。ゴミと一緒に引き上げられてくる魚やカニもいて、そんなのを展示して見せています。

そして、こっちがまた戻りまして金沢八景です。こんな小さな都市河川の中でも、われわれは海のほうで頑張っていましたが、川で活動しているグループがいます。海をきれいにするということを、海のグループだけで頑張っていてもだめだということに最近気づきました。海をよくしようとしても結局、川を通じてゴミが流れてきてしまったり、生活排水がどんどん来ると全然きれいにならないということで、こういった川の団体をはじめいろいろな団体と、いまネットワークを結んで一緒に活動しているところです。

さらに源流、川に水をもたらす森ですが、ここでも森を守る活動をしている人たちがいます。横浜の森といっても、本当にいま非常に危機的な状態で、このように森の真ん中を高速道路がぶち抜いてしまったり、四方八方から住宅地に攻め上げられたりして、本当に森の存続が危ぶまれています。この森も山林の所有者が、木材の価値がないので、ほとんど手入れを放棄してしまっている状態です。

そういった森を守る人たち、川を守る人たち、そしてわれわれ海で活動しているものが集まって、年に1回流域を結ぶネットワークのお祭り、金沢水の日というのをやっています。その中でもメインの活動はやはり海浜清掃ですが、先ほどお見せした大量のアオサは人海戦術でものすごい何トンという量を片付けたりしています。

 

 

 

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