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これはその活動をしている本体です。子連れの方や、ある商船大学のOBの方、近くの学校、あるいはサーファーやダイバーなどマリンスポーツをおやりになる方、いろいろな方が来てくださいます。
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こうやって30分もしますと、海岸の裏手にはゴミでいっぱいになった袋が運ばれてきます。美化運動であればこれで海岸がきれいになって、「皆さん、お疲れ様。今日はいい日でした。ありがとうございました」と気持ちよく終わるのですが、ゴミ問題の根本的な解決を考えたときに、拾うだけでは解決にはなりません。ここに入っているゴミはさっきまで海岸に散らばっていました。いまは新品のゴミ袋に入れられて、処分場に行くのを待っているわけです。海岸からはゴミが取り除かれてきれいになりましたけれども、これは移動するだけです。
最近の複雑なゴミ問題で、燃やすとダイオキシンが発生するとか、いろいろなことがあります。例えばもう一度使ったり、かたちを変えて再利用するリサイクルというようなことが推進されていますが、海岸で拾われたゴミは、基本的にはリサイクルできません。
なぜかというと、空き缶の中などにも砂がいっぱい入っていて、それが再生のときの非常に妨げになるということです。この海岸のある藤沢市では、資源ゴミの再利用、再使用がずいぶん推進されていて、空き缶、空き瓶などがリサイクルに回されています。でも私たちがここで拾ったゴミは、その中に入れることができず、燃やせないゴミとして埋立地に運ばれています。
拾うだけではなく、ゴミをもとから出さないようにしようということで、この活動をしている私たちとしては、リサイクルに回せるものが回せないというのはとても残念で、このようにバケツに水をためて、拾った空き缶の砂を洗って、直接引き取りをしてくれるところに持ち込んだりといったことをやっています。
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これは、一番最初にスライドで見ていただいたゴミだらけの湘南海岸、同じ海岸です。撮っている方角が違うので、地形が違って写っていますが、たった1時間、数百人でやればここはこういうふうにきれいになるんです。でも大事なのはこれではありません。こうやって落ちていない状態にするのも大切なことですが、ここで自己満足してしまうとゴミ問題は永遠に終わらない。1週間経てば、また冒頭の写真と同じような状況になります。
ボランティアが拾えるゴミなどというのは、本当に一部です。海の中に沈んでいるゴミや海岸の近くであっても磯やテトラポットの中のゴミなどは、危険が多くて、子供も含むボランティア活動で拾うのはちょっと無理があります。それから、さっきお見せした無人島のように、拾いに行きたくてもなかなか行くことのできないようなところもあります。