この困ったところは、非常に小さいために、流れて出てしまったものをすべて回収することがほとんど不可能だということ、それから形状の点から野生動物による誤食の確率がとても高いということで、特殊なゴミですけれども、いま大変問題になっています。
海のゴミにはいろいろなものがあります。レジンペレットのような特殊なものから、一般的な空き缶、スーパーやコンビニエンスストアの袋とかファーストフードの容器、花火などもありますが、数が少なくてもとても困る、別の問題を持ったゴミもあります。ここに写っているような医療廃棄物がその一つです。日本でも残念ながら、海水浴場になっているような海岸でもたくさん落ちています。私も湘南海岸でのゴミ拾いのたびに必ず拾います。これはたまたま針がついていませんが、針がついたままのものもあります。
日本では、本来こういった医療廃棄物は特殊な産業廃棄物として、きちんと然るべきルートで処理しなくてはいけないことになっていますが、不法投棄する人がいます。残念ながらそういうものが海岸にも流れてきています。
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このような海のゴミの現実はただ汚いだけではない、もっともっと深刻な問題を含んでいることに気がついたアメリカの環境保護団体が、世界中に呼び掛けて、世界で一斉に海をきれいにしようという運動を始めました。なぜなら、海は世界中につながっていますから、一つの国だけで努力してもだめだからです。
これは国際海岸クリーンアップキャンペーンと申しますが、私たちも1990年から参加しています。世界中で同じ時期に同じやり方でゴミを拾いながら調べるという活動です。
私たちの場合、このように三、四人が一組になりまして、データシートを持って実際にゴミを拾いながら声に出して数えて、シートに記入していきます。
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こういうふうに、まず拾ってからそれを分類するという方法もあります。こうやって調べると、何が多いかがよくわかります。この方は動かないで、1カ所でどれぐらいのタバコの吸い殻が拾えるかをやってみたところ、およそ15分で袋いっぱいになりました。砂浜が灰皿のような状況になっています。