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これもプラスチック製のゴミによって命を落とした例です。ハワイとかカリブ海のあたりに生息しているモンクシールというアザラシで、いま絶滅が心配されている種類だそうです。1500頭前後しか生息が確認されていない、滅びてしまうことを心配されている種類のアザラシです。もとの製品は特定できませんが、リング状になったプラスチックのゴミが口のところにはまっている。これは、たぶん死んでからそんなに日にちが経っていないと思いますが、死んで発見されました。

地球の上にいろいろな種類の生き物が共存していますが、自然に帰らない、しかもほかの生き物の命をおびやかすようなゴミを出しているのは、私たち人間だけです。腐らないゴミを使ってしまっている。石油製品がゴミとなったときにいかに恐ろしいかということを、ここでぜひ覚えておいてください。生き物にとっては汚すゴミというだけではなく、殺すゴミになっているということです。

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このような野生動物の写真というのは、撮影するチャンスに遭遇するのがなかなか難しいそうです。例えばオットセイの研究家の方などは、定期的にフィールドに出て調査されていますけれども、そういうときに、表現は悪いですがちょうど被害に遭って、死にたてみたいな個体にいつもぶつかるとは限りません。また実験室で飼育しているわけではありませんので、こうしてちょうどよく撮影できるチャンスは、現実の被害の状況に比べると非常に機会が少ないということです。

今日見ていただいている生き物の写真は、すべてアメリカの環境保護団体から提供を受けているものですが、アメリカだけでこういう被害があるわけではなく、日本でも同様のことがたくさん報告されています。

このほかにもアザラシやオットセイだけではなく、海ガメやいろいろなものがゴミに絡まっている例が報告されています。このあといくつかまた写真をお見せしますけれども、日本でも同様のことがあります。日本で一番ポピュラーな例としては、釣り糸による野鳥の被害があります。日本のスポーツ人口で最も多いのが釣りだそうで、海だけではなく渓流とかいろいろなところで釣りを楽しむ方が多いんです。

 

 

 

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