では海のゴミのもっと詳しい真実の姿を、いまからスライドでお目にかけたいと思います。
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私たちは東京に事務所があるのですが、毎年2回春と秋に、全国で同じ時期に同じやり方でゴミを調べながら拾うという活動をしています。私は東京で生まれて東京で育ったのですが、この年2回のキャンペーンのときには神奈川県まで出かけていって、藤沢の鵠沼海岸というところでゴミを拾っています。
これは、あるクリーンアップの日のゴミを拾う前の鵠沼海岸の様子です。秋のキャンペーンのときで、この年は関東地方にたくさんの台風が上陸して、このゴミ拾いの数日前にも台風が来たんです。ですから、ふだん海の中に沈んでいるゴミも波でたくさん打ち上げられている汚い海岸です。
これは海岸に出る途中の道のところです。こういったゴミだらけの海岸の様子というのは、残念ながら特別珍しいことではなく、皆さんもいろいろなところで目にされたことがあるのではないでしょうか。
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これは一変しまして、海岸ではなく多摩川の河川敷の公園の様子です。ここで一緒に考えていただきたいのは、海のゴミがどこから来たかということです。ふだん海岸に行ってゴミを見ると、海に来た人が置いていくゴミがたくさんあることに気づくのですが、世界全体で調べてみると、遊びに来た人が置いていくゴミというのは実はほんの一部だということがわかっています。
例えばきちんとゴミ箱に入れればいいのにと思い、誰かがゴミ箱を置きます。でも、それを管理するシステムが整っていないと、ゴミがゴミを呼ぶ現象になってしまって、何のためにゴミ箱を置いたのかさっぱりわからなくなってしまいます。
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これも同じ多摩川の河川敷ですが、夏の時期になると花火をして遊んで、そのまま遊び放し。もしここで大雨が降って風が吹いたりすると、このゴミの一部は川に流れていって、そのままドンブラコと海の中に流れていってしまうのです。
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いままで見ていただいたのは湘南海岸と多摩川の、私たちの身近なところのゴミの様子ですけれども、これはアメリカの海岸です。黒っぽいのは海藻ですが、その間に点々と落ちている白っぽいもの、赤いもの、これは全部私たちの生活から流れ出したゴミです。