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膨張剤はベーキングパウダーのことですが、各家庭でも蒸しパンとかケーキ、カステラ、ホットケーキ、クッキー、ビスケット、ドーナツなどに使いますが、大して危険はありません。殺菌剤は食品についている微生物を短時間で殺菌する目的で野菜類とか魚介類、カズノコなどに利用され、食品への影響はありませんし、味もこれで変わることはありません。

着色剤はきりがないほど非常に種類が多いです。添加することがあっても大変微量ですから実害には至っておりません。農水産加工品、魚肉のソーセージとか飲料、菓子、ゼリーなどの冷菓などに用いています。発色剤は着色剤とは違っておいしく見せる目的でハムとかソーセージ、ベーコン、コンビーフ、イクラ、筋子などに本来の色を強調するために発色剤を加えます。

漂白剤は水道の水に入っているのはご存じだと思います。クロールカルキの匂いがします。食品の漂白と消毒に使います。カンピョウとか乾燥果物、コンニャク、缶詰のチェリーは赤いですが、その赤いチェリーはまず漂白して白くして色を取り、それから赤に染めるわけです。ですからあれは漂白剤と着色剤と両方を使っています。

品質改良剤は古いものを新しく見せる。たとえば食パンなどは古くなると固くポロポロになりますが、それをいつまででも弾力があって新しく見せるように使うのが品質改良剤です。パン、果物ジュースなどに使います。食品の老化を防ぐ目的で、日にちがたっても新品のように見せるために使います。あまり感心したものではありません。

被膜剤は果菜、ナス、キュウリ、トマト、そして果物などの水分の発散を抑えるために、そして鮮度を保ちみずみずしさを保つために表面に被せます。目減り防止が目的でもあります。また一方ではその表面を皮膜で覆うことで、中に残留している農薬をそのまま閉じ込めてしまうという危険もあります。糊料は舌に滑らかさを感じさせる目的でアイスクリームとかパン、サラダ、ドレッシングなどの安定剤に、あらゆる食品に用いられており、毒性は弱いものです。

調味料は味の素です。グルタミン酸ナトリウム、中には味の素中毒を起こすと言って非常に神経質になる人もありますが、やはり味の素を使うとおいしい。うちの学校に中国の料理使節団が25人ずつ2回にわたって来ましたが、東京では「主婦の友」でやり、大阪では「辻クッキング」でやり、福岡では私の学校で中国料理の講習会をしましたら、彼らを見ていると味の素をものすごく使います。こんな大きなおたまじゃくしにごそっとすくってポンと入れます。あれでは中国料理の本当の味か味の素の味かわからないと思いましたが、本当によく使います。

 

 

 

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