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そこへ飼料だけを与えます。ブタもニワトリもどんどん太ります。太ったけれども、やはり生ある動物ですから、日光も当てないでいるとストレスになります。

それでストレスにならないための薬品を注射をする。抗ストレス剤とか肥育促進剤などを与え、まるで機械に油を注ぐように薬品とえさをどんどん与えて人間のためにひたすら太らせる、ひたすら生産という方法を取っています。そしてストレスにかかると病気になりやすくなる。そこでまた薬剤でそれを補う。そういったことの繰り返しで、それを人間が食べると、その薬剤の災いが人間にも起こってきます。

またホルモン剤はウシやブタなどに利用されていますが、ホルモン剤のDESという薬剤は日本ではウシの皮下に埋め込んで使用されていますが、アメリカでは全面禁止となっています。ホルモン剤の害は家畜が病気にかかりやすくなります。ホルモン剤が動物体内に残留し、それを食べた人間にもホルモンの影響があります。家畜が病気にかかりやすくなるので、他の薬剤を多く与えます。これも人体に悪い影響を及ぼします。

動物はビタミン剤とか抗菌剤を絶えず与えると、体内ではバランスが崩れて免疫力が弱くなります。人の体もそれを食べて免疫力が弱くなり、生命を危険に落とすことにもなるのです。そういった畜産物に対する薬剤の害もだんだんとわかってきました。しかし農家としては畜産業の薬剤のお陰で非常にやりやすくなったと思います。

食品添加物の話に変わりますが、保存料、防腐剤、酸化剤はだいたい似たようなもので、食物につくカビ、細菌、酵素などの微生物の発育を防止するために使用します。要するに薬の力で腐らないように持って行くわけです。チーズ、ハム、ソーセージ、豆腐、パン、洋菓子、オレンジなどで、その中のオレンジは輸入するときに皮に防腐剤をつけてカビが生えないようにします。レモンなどは買って来て洗って冷蔵庫に入れるとすぐにカビが生えます。洗うことで防カビ剤がなくなったから、すぐにカビが生えるわけです。

それから、「結着剤」は魚肉の練り製品とかアイスクリーム、缶詰、乳製品、みそ、しょうゆなどに使われていますが、国連のWHOでは、一日の許容摂取量を1?あたり30〜70mgと定め、普通の量を食べていればたいして害はありません。

粘着防止剤としてはチューインガム、パン、飴などにDLマンニットという成分が用いられます。人体の許容量などもちゃんとしていますが、いまのところはそう心配はないそうです。

カン水は中華そばに用います。中華そばの独特の風味になります。原料はメリケン粉ですが、うどんになったりそーめんになったりしています。中華そばに用いるカン水は鹸石(カンセキ)といって中国にある天然石を溶かした水ですが、日本ではそれがないので炭酸カリウムとか炭酸ナトリウム、リン酸などを混合して用いていまのところ害はありません。

 

 

 

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