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東回りをやると24時間時計を進めなければいけない。最終的に1日ダブらせてくる。すると客船の乗組員は夜遅くまで働いていますので、お客様がすべて夜食を召し上がってキャビンに消えるのが1時ぐらいだとすると、その1時の瞬間に、乗組員はもう2時になってしまいます。1日が23時間で、非常に忙しくなる。逆に西回りですと、お客様と24時、午前1時に別れても、ポンと23時とか、時間が1時間余計にあるので、だいたい西回りを客船はとっているようです。“飛鳥”も4回やりましたが4回すべて西回りの世界一周をしています。

去年、横浜から“飛鳥”が出帆するときにちょうど“QEII”“オリアナ”の3隻が横浜港に集まりました。たいへんな人出で、三十何万人という人たちが岸壁の周りに集まり、皆さん海に落ちてしまうのではないかと思うぐらいたくさんの方に見物していただきました。だいたい横浜をポンと一緒に出ますと、途中でいろいろなところに行っているのでしょうが、ニューヨークあたりに行くと再会します。

今年もわれわれが横浜を出たのが3月3日で、その翌日の3月4日に“QEII”が横浜から出ているのですが、ニューヨークに着いたら隣の岸壁にいましたし、ほかの客船ともずいぶん途中で会います。だいたい同じようなスピードで100日ぐらいかけて世界一周しているのが世界一周クルーズの実状だと思います。

“飛鳥”の世界一周クルーズは4回やりましたが、奇しくもお客様の平均年齢が69歳でした。これはわれわれがどうのこうのではなく、乗っていただいたお客様の平均年齢がだいたい69歳、最高年齢者の方といちばん若い方などいろいろありますが、過去3回はいちばん若い方は20代の方がいらっしゃいました。いらっしゃったのですが、今年は32の方がいちばん若い方でお母様とご一緒でした。

4回の中でいちばん年配の方がおじいちゃまなのですが、90歳の方がお一人で乗られていました。だいたいカップルの方が多いのですが、全体のお客様の中で7割から8割がカップルの方で、あとの2割、3割ぐらいがシングルの方たちです。シングルの方たちの中で7割が女性のシングルで、3割が男性のシングルです。4回やってだいたい年齢構成は同じようなパターンです。

先ほど係の方とも食事をしながら話したのですが、世界一周のクルーズに参加するということは、参加される方の一生の大事業だし、前もってずいぶん計画を立てられるでしょう。また期間的にも100日ということと、気候の変化、金銭的なことも考えれば、やはりご夫婦で元気に100日航海しようということで、そのへんの年代の方が集中するのかという話を少ししていました。

 

 

 

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