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“タイタニック”の話ばかりしてもしょうがないのですが、皆様はここにいらっしゃってご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、SOS、助けてくれという言葉、モールス信号は何の略かという話はよくあります。いちばんまともにみえて説得力があって「うんそうか」と言うのが「Save our ship、われわれの船を助けてくれ」です。これはものすごくうまくできているのですが、まったくの嘘です。SOSの前は何を使っていたかと言うとCQDです。CQDという符号は意味があり、「Come quick danger」です。危険があるから至急来てくれ、CQDとモールス信号でトントンと打ちます。Cの場合だとツートツート、ツートントン、ツート、ツートトトと長短が入って、非常にクリアな電波の状態ですとこの信号がわかるのですが、モールスを少しでも聞いた方はわかるように、私より年配の方もちょっといらっしゃるのでわかっていただけると思うのですが、海外の短波放送を聞くとウワーウワーとなりました。

あのように信号がくると、どうしても判別できないので、設定するときに何かシンプルな音がないかということで、アルファベットからいちばんシンプルなものを探した。Sはトントントンと単音が三つです。Oは長がツーツーツーと三つ、するとトントントン・ツーツーツー・トントントンと打つと相当に雑音が入ってもはっきりわかるという専門家の判断があったようです。それでSOSという文字を使ったそうです。ですからそれから後、頭のいい方が「Save our ship」とつけて「なるほど」ということになったようです。

そのようなことで少し“タイタニック”の話をしました。今日いただいているお話のタイトルは「客船“飛鳥”が巡った世界の海、港と船内環境」ですが、“飛鳥”は今年の世界一周で世界一周を4回やりました。1996年から第1回目の世界一周をやり、それから毎年やっています。1997年、1998年、それから1999年、来年の2000年も行きますが、来年はいままでと違って北欧に出かけます。地中海から北へ上がり、ノルウェー、イギリスのほうへ行きます。

その後、2001年も決まっていて、これは南米を南半球だけグルッと回ります。アフリカ、南米大陸、アマゾンまで入ってアマゾンの中ごろにあるマナウスというところまで行きます。これからの世界一周に乗ってくださいという宣伝のお話をしたのではないのですが、だいたい2001年のクルーズが終わりますと、“飛鳥”が走っていない海は北極海、南極海は別にして、バルト海と黒海だけになり、ほとんどの海を走っています。

 

 

 

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