4-3. 労働に関して企業に課される間接税
社会保険料は広義には税金として分類されるが、狭義には社会保険料は負担者と利益享受者に直接関係があることからその他の税金と性格が異なる負担金と言える。ここでは、雇用者が支払う社会保険料も間接税として分類する。
労働に関して企業に課される間接税には、社会保険料(雇用者負担分)、自営業者社会保険料、特別給与税、一般間接税、各種物品税などがある。
[社会保険料]
雇用者負担の社会保険料は、法定部分と労使協約による部分から成っている。雇用者負担の社会保険料は社会保険運営の主たる財源であるが、前述したように、近年被雇用者負担金の導入により、雇用者負担の社会保険料は引き下げられている。だが、雇用者負担の社会保険料は依然として、社会保険運営の主たる財源である。社会保険料は賃金(税引き前)に対する比率で表示される。1998年の各社会保険・法定部分の保険料率は、ブルーカラー、ホワイトカラーともに、
であり、合計33.03パーセントであった。これら法定社会保険料に加えて、労使協約による社会保険料がある。1998年の労使協約による社会保険料の合計は、ブルーカラーが5.8パーセント、ホワイトカラーが9.8パーセントであった。
ところで、スウェーデンでは、今後の人口経済の変化に対処するために、新しい年金制度が模索されている。こうした状況のなか、1999年より、年金制度の改革が行われている。新老齢年金の目的は、今後の社会的変化あるいは人口動態上の変化に対応することのみならず、これまで最低限の生活保障を受けていた者に、より確実な所得保障をすることである。
しかし、1999年の社会保険料を1998年と比較すると、全体的には大きな変化があるわけでないが、社会保険料の徴収構造は変更されている。これまで、付加年金(ATP)料と呼ばれていた料金は、老齢年金料に変更された。また、遺族年金が導入され、国民基礎年金および部分年金が取り除かれた。