5 日本版401K
しかし、出生率が伸びない、経済成長見通しが立たないなど更に状況が悪化する場合は、更なる調整が必要となる。その時には給付の追加的カットが考えられるだろう。一律の給付カットは今ヨーロッパで反省されているし、おそらく日本でも賛成されないであろう。そうなると所得の高いグループに公的年金を遠慮してもらうスキームになる。その代りに、今はやりの401K(のようなもの)を導入し、それを利用した自助努力が奨励されることになる。401Kは税制面で優遇をつけ、中・高所得者に自助努力で老後所得の厚みをつけることを奨励する制度である。その枠組づくりが今、急速に進んでいる。余裕のあるグループが401Kを利用し、自助努力で老後所得の厚みをつけることができれば、そのグループの公的年金は減らしやすくなるであろう。
そういう方向の調整が行なわれることになると予想している。