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企業関係者にとって人件費を増大させるものは社会保険料なのである。従って、社会保険料が増えてくると企業は雇用リストラ(なかなか人を雇いたがらない、あるいは今雇っている人をアルバイトや派遣労働者にかえるなど)を行なう。

 

図1 年金保険料負担が突出して重い(1999年度当初予算)

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企業や個人の負担になっている点では所得税、法人税よりも、年金保険料、医療保険料を込みにした社会保険料の方がはるかにウェイトが大きいのである。

政府は将来の年金財政を考えれば年金保険料を上げるしか方法はないとし、厚生省が出した「5つの選択肢」の中では保険料は一気に3.5%上げたいと書かれていた。

しかし、現在でも重い負担になっている年金保険料を更に上げれば、個人の手取り所得を減らし企業の人件費を更に増大させ、日本経済全体を更に冷え込ませる要因として機能するに間違いない。このような時に年金保険料を本当に上げることができるのか。

それでは、もし年金保険料を上げられないのであれば、将来の年金財政をどうすればいいのか。

 

2 公的保険料を引き上げる前にできること

 

そこで、年金保険料を上げる前にすべき調整方法を示した「2025年度の年金保険料は現行水準以下に納まる」(図2)を見て頂きたい。

 

 

 

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