出所:Social Trends(1999)
◆退職年金(拠出制給付)
無拠出制給付の代表が退職年金で、定額の基礎年金と国家収入関連年金(SERPS)の2階建てシステムになっている。年金年齢は男性65歳、女性60歳だが、2010-2020年にかけて女性の支給開始年齢が男性と同じ65歳に引き上げられることになっている。基礎年金は国民保険の納入期間に比例して支払われ、拠出条件を満たしていれば単身で£66.75/週が支払われる。女性の場合も拠出条件に応じて支払われるが、まったく拠出をしなくても、夫が年金を受けはじめた段階で£39.95/週が受給できる(年金年齢に達していることが条件)。すなわち、夫婦が夫の年金で生活している場合、週当たりの年金額は£106.70となる。国家収入関連年金は退職年齢前までの一定期間の平均収入から計算され、該当者のみに支払われる。ただし、受給者が死亡した場合には配偶者が受給を引き継ぐことができる。また、男女ともに年金の受取り開始を男性は70歳、女性は65歳まで繰り延べることができ、その場合には一定額割増で年金が支払われる。年金受給者は1996年度で約980万人である。