◆施設ケアサービス
英国の高齢者ホームにはレストホーム(Residential Home)とナーシングホーム(Nursing Home)という2つのタイプがあり、後者では医療ケアが提供される。どちらのタイプも集合住宅の形式をとるところが多い。両タイプともに民営化が進んでいるが、対人社会サービスではナーシングホームの経営はできないため、ナーシングホームはほとんどが民間経営となっている。すでに表17でみたように、病院での高齢者向け長期入院ベッド数および自治体経営の施設が減少する中で、民間業者やNPO運営の施設数が大きく増えている。
これらの長期ケアベッドの総数は1994年で48万床を超えており、75歳以上千人当たり144.2床、85歳以上千人当たりでは558.8床となる19)。また、1995年の入居者数の推計では、2つのタイプのホーム合わせて65歳以上人口の4.8%が施設入居となっており、その割合は年齢とともに増え、85歳以上では病院も含めて4人に1人が施設入居となっている(表20)。