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一人暮らしであろうと、同居者があろうと、大半の人々は家族や社会福祉サービスから十分に見守られた生活を送っている。彼らにとっての中心的な介護者は、3人に2人以上が「自分より若い人(子どもが多い)」であり、4人に1人が「配偶者」であると答えている。しかし5人に1人は、医療ケアを受けている期間に福祉サービスを利用したり、介護者を雇ったと回答している。

在宅医療ケアを受ける高齢者は、在宅維持支援サービスを受けることもできる。このアンケート調査では、2人に1人が家事ヘルパー(ないし家庭雇用者)の援助を受けていたが、特に一人暮らし高齢者ではこの割合は高い(72%)。また10人に1人は食事宅配サービスを、4人に1人は運動療法士の治療を受けている。

在宅で医療ケアを受ける人には在宅維持のための支援があるにも係わらず、自宅と病院の往復回数は多い。過去1年に満たない間に在宅医療ケア・サービスを受けたことがある者は、10人に1人がその後で入院している。逆に在宅医療ケアを終えた者の場合は、半数以上が入院している。しかし治療を終えた後に高齢者施設に入所する人は7%に過ぎない。その意味では在宅医療ケア・サービスの機能は果たされているといえよう。すなわち自宅で治療することは、施設入所の前段階となっているわけではない。在宅医療ケアでは、家族の協力、各種の在宅維持サービス、家庭を訪問する開業看護婦などによって支えられているのである。

 

図表36:高齢者施設別 重度要介護入所者の割合(1996年)

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