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なお一般制度には、基本年金のほかに補足年金制度があるが、これは就業中に獲得する点数単価(被保険者が所属する組織が定める金額に対応している)をもとにして機能している。補足年金の支給額は、基本年金と合わせた合計年金支給額の3分の1になることもあるが、管理職の制度(AGIRC)は特に優位になっているといえる10)。なお基礎年金と補足年金をさらに補って、雇用者と労働者個人の間で任意に契約される再補足年金も存在する。

また一般制度では、3人以上の子どもを育てた被保険者(子どもが16歳になるまに9年間以上養育)、ヘルパー(第三者)を必要とする者、配偶者を扶養する者(所得の条件付き)に対して支給される付加年金もある。

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(2) 非拠出制老齢年金制度

 

1]高齢者最低所得保障

年金制度は保険料の拠出を前提としているが、無所得ないし年金を含めた所得が最低限の生活には不十分である高齢者には、保険料の拠出を要件としない「高齢者最低所得保障給付(minimum vieillesse)」が支給される。受給条件は、1]65歳以上(労働不能者は60歳)、2]所得が一定水準以下、3]フランス国籍を所持するフランス在住者(フランスと相互協定を持つ外国籍者も含む)である。高齢者の最低所得を保障する給付も、拠出制年金制度のように基本手当と補足手当の2重構造になっており、この2つの給付最高額の合計が高齢者最低所得保障額となる。

◆基本手当:保険料を拠出した期間が短いために低額の年金支給を受けている場合などに支給される。基本手当による生活保障には、「老齢被雇用者手当(AVTS)11)」を始めとして、老齢年金加入者に対しては「年金割増手当(majoration de pensions)12)」、老齢年金非加入者に対しては「老齢特別手当(ASV)」がある。支給額は「老齢被雇用者手当(AVTS)」に基づいて定められている。

 

表22:非拠出老齢年金支給額(1999年)

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