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1998年の事業所労働実態調査では、定年制の平均年齢は57歳未満である。したがって、60歳以上あるいは65歳以上の高齢者の就業率は第一次産業、自営業を除くと極めて低い状況である。

1998年の全国老人生活実態調査の結果によると、その高齢者の中で現在就業している者は約29%おり、主に農業等第一次産業で就業している。そして、その就業高齢者と就業していない非高齢者との割合は約1.0対2.3であるが、それぞれの就業理由等についてみたのが、表11である。

最近の韓国経済の状況、また年金普及率の低いことなど社会的要因も考慮すべきだが、高齢者が働く最大の理由は、収入を得ること(お金が必要)にある。そして都市部では「仕事がない」という65〜69歳が21%いる。

また、「高齢だから」と考えている前期高齢者の割合が極めて低いことは、高齢者の高齢者(年齢)意識の観点から興味深い状況である。

 

表11 就業・非就業の理由

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資料:「1998年全国老人生活実態と福祉欲求調査」保健社会研究院。

 

2] 高齢者の生活費

高齢者の生活費について、その収入源をみると、65〜69歳のとくに男性では、仕事からの収入で自立している者も多いが、総じて子供からの支援を受けている者が非常に多い。とりわけ女性の場合は貯蓄や年金等のある者は非常に少なく、約46%の者が子供に依存している状況である。

そして、収入に恵まれない高齢者の生活を支援している老親扶養の提供者は、子供たちであり、その親孝行の状況は見てのとおりであるが、国の補助を受けている者も男9.1%、女10.1%とかなりの割合を占めている。これには男性の年金等受給者も1.0〜2.0%程度含まれてはいるが、かなりの高齢者が生活保護を受けていることが窺われる。

 

 

 

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