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II 韓国の高齢者問題

 

1. 韓国の高齢者事情

(1)高齢者の家族形態

韓国の人口高齢化は、東アジア地域の中では遅れてスタートしているが、家族形態の変化は、日本、台湾などと同様に1970年代以降に急速な変貌を見せている。

1975年、単身あるいは夫婦のみの一世代世帯の割合は7%、二世代世帯は72%、三世代世帯等が21%であったものが、僅か20年後の1995年には、一世代世帯が14.7%、二世代世帯が73.4%、三世代等世帯11.6%、と変化し、単身と夫婦のみ世帯の急増と多世代世帯の減少を示している。

 

表5 韓国の世帯形態の変化

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資料:韓国保健社会研究院「1998年韓国の保健福祉指標」

 

これを高齢者世帯及び高齢者がいる世帯についてみると、一世代世帯の割合はさらに高く、1981年の19.8%から僅か17年後の1998年に41.7%に急増しており、子や孫と同居している高齢者は1981年の80.2%から1998年の56.8%と急減している。しかも、この状況は大家族志向の強いと考えられている農村部でより一層進んでいる。

 

表6 65歳以上高齢者の世帯類型の変化

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資料:「1998年度全国老人生活実態及び福祉欲求調査」保健社会研究院。

 

 

 

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