第5章 法的責任
第43条
老人は、合法的権利の侵害を受けた場合、被侵害者及びその代理人が関連部門に処理を要求、あるいは民法院に対し起訴する権利を有する。
人民法院と関連部門は、老人の合法的権利の侵害に対する上告、告発、検挙については法に従いこれを受理し、責任転換や放置をしてはならない。
第44条
老人の合法的権利保護の責務を遂行しない部門または組織には、その上級管理部門は批判教育を行い、改善の責任を負う。
国家公務員が、法に違反し失職し、老人の合法的権利の侵害を引き起こした場合、その所属する上級機関が改善を要求し、あるいは行政処分を与える。また犯罪に及んだ場合は、法に従いその刑事責任を追求する。
第45条
老人と家族の間に、扶養、住居、財産に関して争いが発生した際は、老人は家族が所属する組織及び住民委員会、村民委員会に調停を要求し、直接人民院に対し起訴を行うことができる。
前記の争いの調停において、過失を犯した家族には、批判教育を行い、改善を求めなければならない。
人民法院は、老人扶養の督促及び扶養費の請求に対し、法の定めに従い、先に執行する判決を下すことができる。
第46条
暴力あるいはその他の方法により、老人を侮辱、事実を捏造して老人を誹謗する、または虐待した者に対しては、状況の軽いものは治安管理処罰条例の関連規定に従い処罰し、また犯罪に及んだ者についてはその刑事責任を追究する。
第47条
暴力により老人の婚姻の自由を干渉したり、老人の扶養義務があるにも関わらず扶養を拒否する者に対しては、その状況が深刻で犯罪へと発展した場合は、法に従いその刑事責任を追究する。
第48条
家族構成員に老人の財物の窃盗、詐欺、強奪、破壊などの行為があった場合、状況の軽いものは治安管理処罰条例の関連規定による処罰を行い、また犯罪に及んだ者は法により刑事責任を追究する。
第6章 付則
第49条
民族、自治、地方の人民代表大会は、本法の原則に基づき、当地の民族習慣の具体的な状況を考慮し、法の定めに準拠して可変的あるいは補充的な規定を制定することができる。
第50条
本法は1996年10月1日より施行する。
<上海老齢科学研究センター・馬利中:訳>