老齢委員会の主要な任務は、人口高齢化に関連する諸問題について調査研究を行い、総合的な企画を立て、組織調整、監督、検査を行い、高齢化問題に関する国際的また地域的専門会議なども催し、様々な事業を推進している。
上海老齢委はとくに高齢者問題や高齢化社会のもたらす状況を調査研究し、対策に役立てるため、1993年、上海市老齢委員会は上海社会科学院や関係する大学を集め、その協力体制で上海市老齢科学研究センターを設立している。このセンターの役割は、全市の高齢者問題を総合的に調査研究するとともに高齢者のためになる事業活動などを企画立案し、上海市老齢委員会や市政府に提出している。
2] 「上海市高齢者事業発展〔95〕計画と2010年遠景目標」の制定
1997年3月5日に、上海市の計画委員会、社会保険管理局、人事局、民政局、財政局、衛生局、教育委員会、建設委員会、都市企画管理局、労働組合総連合会、婦人連合会、老齢委員会が作成し制定された「上海市高齢(者)事業発展〔95〕計画(第9次5か年計画)と2010年遠景目標」は、上海市人民政府の承認を得て、全市の区、県人民政府と市政府各委員会、事務室、局に指示され、「実情に併せて実行する」こととなった。
この指示は、基本状況、指導方針、主な任務と目標、重点措置という4つの部分から構成されているもので、基本目標は「2000年までに、初歩的に高齢事業で遅れている状況を改め、2010年までには、高齢者関係事業を、世界の東方に現れる、いうような新しい環境整備を実現する」ことであり、「高齢者の生活の質の顕著な向上を図り、入所を必要とする高齢者が全員高齢者福祉施設に入所できるようにし、高齢者の平均寿命は先進国に近づき、敬老や高齢者を扶養する社会風習をさらに広げ、高齢者全体の扶養、医療、社会参加、生涯学習、娯楽の水準をその時点の経済発展、社会進歩と協調させるべき」と強調している。また、「高齢者の合法的な権益の保障、扶養水準の向上、医療の発展、社会参加への促進、生涯学習や精神生活の充実、高齢科学研究など七つの分野について、1996年から2010年までの上海市の主要な目標とし責務とすること」を明らかにしている。