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上海華東師範大学人口研究所・王桂新教授らの研究推計(表10)によれば、将来(2000〜2020年)、上海市における家族形態等の変化にはいくつかの特性がみられる。

 

表10 上海市の高齢者の家族形態の将来推計

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資料:華東師範大学人口研究所・王桂新教授推計(1999年)

 

(1)世帯総数の増加

先述したように、上海の人口はむしろ減少の傾向にありながら、その世帯数は年々増加しており、1995年に445万世帯であった上海市の世帯総数は2000年に480万世帯となることが推計されている。そして2010年に565万世帯、2020年に614万世帯と上昇する。1995〜2015年の間には毎年7〜8万世帯が増加し、2015〜2020年の間は毎年3万世帯の速度で増加する、と推計されている。

 

(2)世帯規模の持続的縮小と単独世帯等の増加

1995年に2.87人であった上海市の平均世帯規模は、2000年に2.69人、2010年に2.39人、2020年に2.24人と持続的に縮小する。

1995年に53万世帯の「単独世帯」は2000年に59万世帯、2010年に75万世帯、2020年に89万世帯に増加する。その世帯総数に占める割合も12%、13%と14%と次第に上昇する。

 

(3)世帯構成の高齢化

上海の世帯形態も人口高齢化と同じように高齢化する傾向が予測される。1995年に、上海市の65歳以上の高齢者が属する世帯は121万世帯であり、世帯総数の27%を占めるが、2000年、2010年と2020年にその数はさらに増加し、150万世帯、189万世帯と304万世帯となり、その比率は31%、33%と49%と増え、2020年に上海の高齢者の居る世帯は世帯全体の約半分になる。

 

 

 

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