しかし、1995年以降最近の人口動態の推移を見ると、出生率はさらに下がり、老年人口の増加率は高く、このまま推移すれば、これまでの推計を上回る速さで高齢化は進み、上海市の人口高齢化率は2003年頃に14%に達する。その高齢化のスピードは、世界の先例としての日本の速さと同等である。すなわち、上海市は1979年の高齢化率7%から、24年後の2003年に14%と2倍増になる。
3. 上海市の家族形態の変化
中国で最も先進的な大都市上海においては、都市特有の核家族が多かったことに加え、1970年代からの少子化政策、79年からの一人っ子政策が早急に普及したこともあって、小家族化は全中国に先駆けて進んでいる。
特に80年代以降は改革開放政策の進行に伴い、市民の生活スタイルも変化するにつれ、上海の家族形態も家族機能も大きく変化している。
1964年の人口調査によれば、上海市の平均世帯員数は約4.5人と世帯規模は比較的大きかったが、1982年の人口調査時には、これが3.6人、1990年の人口調査では3.1人と急速に減少している。そして1995年の市調査では約2.9人と3人を割る状況になっている。