3. 中国の人口発展と家族形態の変化
中国は伝統的に大家族制の社会であるというイメージが広く国内外で持たれているが、現実は核家族が支配的である。そして中国の家族形態は、人口の発展とともに急速な変化を見せている。
1949年建国後の4回の人口調査の結果を見ると、全中国の平均世帯構成規模(平均世帯員数)は、1953年4.30人、1964年4.29人、1982年4.43人であって、親子二世代の核家族が支配的である。また、この30年間に中国の世帯構成規模はほとんど変化していなかった。しかし、改革開放後、新経済体制の導入、都市化や少子化の進展、そして国民のライフスタイルや生活意識が変化するにつれて、中国の世帯構成規模も急激に減少している。1990年の人口調査(センサス)によると、中国の平均世帯規模は3.97人と縮小している。
過去4回の人口調査の結果から、中国の世帯規模を都市、農村別にみると(図1)、都市では1953年4.66人、64年4.11人、82年3.95人、90年3.82人と世帯規模は縮小の一途を辿ってきた。農村では1964年の4.35人から1982年の4.57人に世帯規模が増大した時期があるが、これは生産請負制による家族の拡張によるものであり、請負制の普及が一段落した1990年には4.14人に縮小している。