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このように、システムを整えて質の高いきめ細やかなサービスを提供してきた同団体だけに、その活動は順調に定着していき、現在の会員数は四〇〇名弱。一か月の活動時間も七〇〇時間前後に達し「大阪市南部の陰の在宅支援センター」との異名を持つまでになった。

そして九九年一〇月には、NPO法人格を取得。社会的認知を得て、新たな出発をしたのである。

 

大阪市阿倍野区に本拠地を置く特定非営利活動法人『エフ・エー(通称FA)』は、住民同士の助け合いの活動(有償ボランティア活動)を中心に、地域に根差したさまざまな活動を通じて、人々の自主性を大切にした温かい交流のあるネットワークづくりをすすめ、誰もが心豊かに安心に暮らせる地域社会の実現をめざす団体。主な事業内容は、1]有償ボランティア事業(在宅福祉ボランティア活動)、2]生活相談支援事業(よろず相談受け付け)、3]組織サポート事業(ボランティア国体の立ち上げ支援や運営相談)、4]ホームヘルパー派遣事業(介護保険対応部門)、5]社会教育事業(講演会やキャンプ事業)、6]調査・研究事業(地域に関するいろいろな調査・研究)。会費は正会員の場合、入会金300O円、年会費2000円。在宅福祉サービスを利用するには、初回面接料5000円と利用登録料月10OO円を支払った上で、1冊20点のサービス券を購入し、30分につき1点(300円)の利用料と交通費を支払う。利用料の1/6は事務費とし、残りが活動者の報酬となる。時間預託制度もあり。(→連絡先は最終頁)

 

グループホームの設立をはじめ夢いっぱい、やりたいこともいっぱい

 

さて、今年の四月からはじまる介護保険によって福祉を取り巻く社会状況が大きく変化することから、どの在宅福祉サービス団体も対応に追われていると思うが、『FA』では、果たしてどのような活動の未来像を描いているのだろうか。

「介護保険に関しては、基本的には指定居宅サービス事業者として介護保険サービス事業に参入する予定です。ただし、介護保険で提供できるサービスはあくまで生活の一部分。愚痴を聞いたり、散歩をしたりといった保険外の部分、すなわち人間的な温かいケアを大切こしていこうというスタンスは、従来となんら変わりはありません」

また、これまで行ってきた助け合い活動だけでなく、多様な地域市民活動を展開し、継続性と社会的責任を担う市民団体として地域で根を張り、市民公益を体現するバイオニアとして活動を広げていくことを考えているという。

 

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事務所2階風景。

 

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スタッフ一同。明るい笑顔とガッツで地域支えあい!

 

 

 

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