宮代学園の子供たちと。夕食後の歯みがき指導の様子。
「学校での体験は二日間だけなので、どんな体験が適当なのか試行錯誤だ」と言うのは東京都立立川ろう学校の村野一臣教諭。今のところは重複学級の介助と行事の手伝いが中心である。盲学校や養護学校を含めて学校はどこでも少ない日数で大人数を受け入れるので、人的パワーは大きい反面、体験が深まらないという声もある。
一方施設での体験は千差万別のようだが、取材先の二つの施設では積極的に取り組む姿勢が伝わってきた。知的障害児施設「宮代学園」では、今年度初めて福祉実習のない期間に体験生を受け入れた。一度に複数の学生が来ると仲間うちで固まり、子供たちとの深い関係がつかめないので一回につき一人と決めた。毎日の目標を決め、反省や感想を含めて記録を残させている。当然職員の負担も増すのだが、指導員の森本節子さんは「職員の勤務条件は厳しいが五日間で人間が変わるのを目の当たりにでき、今後も社会的な貢献として続けていきたい」と積極的な姿勢を示してくれた。