日本財団 図書館


一日目、二日目は非常に不安そうだった子供が、三日目、四日目にはかなり自信を持って対応している、というお話をされていたのが非常に印象的でした。

杉浦 こうした活動というのは受け入れる地域の方々の支えも大きいですね。私が取材したのは兵庫県の内陸部にある三田市の長坂中学校でしたが、とても協力的で非常にありがたかったと先生方がおっしゃっていました。堀田さん、いかがですか?

堀田 東京の墨田中学校、非常に荒れていた時に新任の校長先生が行かれてボランティア体験学習を取り入れられたんです。いいなあと思ったのがそのやり方で、一年間を三つの段階に分けたんです。「地域の人を学校へ」「地域に出て体験を」、そして「地域と共に学習を」。まず地域の人に実情を知ってもらい一緒に考えてもらう。次に生徒を施設や商店街などで受け入れてもらう。そうすると子供がどんどん自分のいいところを見つけて自信を持ってくるんですよ。最後に地域の人にも同じように学んでもらう。親たちも勉強だけではいけないと理解してくるわけですね。地域の力を借り、地域も変えてしまった、すばらしい取り組みです。いったいどう説得すればいいのでしょうか。

 

幸せの価値基準の変化

 

009-1.gif

 

杉浦 先ほどもお話にありましたように二〇〇二年度から新しい指導要領に変わります。ところが塾側もどんどん先回りした情報を出して事業を拡大しようとしています。「学校に任せておいたら、子供の学力がますます低下する、そこを塾が補いましょう」と、そうした情報に煽られている保護者に、学校は一方でボランティア教育や社会性を身に付ける大切さを納得させないといけない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION