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NPOならではの多様なかかわり方を

 

介護保険によって福祉サービスの提供者の顔触れは一変する。社会福祉法人、社会福祉協議会および市町村の公的独占が崩れ、株式会社が乗り込んでくる。「NPO応援団」を自任する青木利元明治生命社会貢献役は、「企業はマネジメントという得意技を持ち、社会福祉法人は軽減税率を摘要されているため税制面で有利」だと指摘する。

「利用者から見るとNPOのサービスの特徴は安いことだったが、介護保険事業の指定事業者になるとこれがなくなる」(早瀬昇大阪ボランティア協会事務局長)。NPOが指定事業者と互して介護市場に参加するということは並大抵のことではない。

では来年四月、介護保険がスタートしたあと、NPOにはどんな役割が課せられてくるのか。田中尚輝長寿社会文化協会常務理事によると介護保険は社会全体が必要とする社会的介護の二〇%しかカバーしない。1]介護保険が摘要されないけれどもお年寄りが必要とする日常の生活支援などのサービス、2]要介護認定によって自立と判定された「認定漏れ」のお年寄りへのサービス、3]ボランティアならではの温かい心の交流――これらはNPOならではの使命である。

 

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さわやか愛知事務所内風景。一日中忙しい活気にあふれている。

 

 

 

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