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さらに最近は地域でも異世代間のコミュニケーションを持つ機会が少なくなり、少しでも年代がずれれば別の世界の人としてその対象外に置いてしまう。これが輪切り現象だ。

「世代を超えた自然なふれあいこそが自然なコミュニケーション術を身に付ける一番の方法なのに、文化の多様化と称して輪切り現象を良しとする風潮があるのは憂慮すべきです」と原島さん。前述の文化庁浅松さんも「ですから家庭での会話がある団らんは非常に大切ですし、ボランティアなどで積極的に異世代や他の世界の人と交流することは、コミュニケーションの技術を身に付ける上で大変有効なことだと思います」と助言する。

 

“心”を届けるもうとつの武器は顔の表情

 

〈通常口調や命令口調の時の波形〉

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口から発せられる言葉には言語そのものの他に、声質、声の強さ、イントネーション、高低の変化の具合など、たくさんの情報が含まれている。グラフは「右に曲がって」という、約1秒の間に発せられた言葉を、(上段)イントネーション、(中段)声の強さ、(下段)直前の音と比較しての高低の度合で分析したものだ。

(NTTコミュニケーション科学基礎研究所資料より)

 

 

 

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