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桜井 ええ。あおぞらデイサービスはぜひもっと広めたいんですね。日本は欧米と違って公有地が徹底的に不足していますから、民有地をもっとうまく生かすことを考えるべきなんですよ。政治的にも政策的にもむずかしい点はあるでしょうが、しつこく言い続けてます(笑)。既存のいろいろな枠を取り払ってそこに新しい制度をつくっていくことが今の時代に必要ですからね。学童農園は今年、文部省の要請で全国九地区のJAの青年部や女性部のみなさんが地元の商店街とかPTAなどと組んでやっているんです。完全週休二日制に移行した時の地域活動の受け皿としても広げていければと。

堀田 (うなずきながら)シンポジウムのアンケートで地域協同という動きについて「ふれあい市民社会の幕開けを感じた」というのがあったんですが、実感ですね。まさに今、市民のうねりが各地で起こり出している。市民の参加で行政とは違う発想がどんどん生まれてきますし、絶対に地域の中のいいネットワークができると信じることができて幸せな気分なんですが(笑)。

 

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和田 介護保険事業に参入できないからといって落胆することはなくて、もともと社会が求めていることを自由にやれるのがこうしたNPOの活動なんですね。その原点に戻ってやってほしいと思っています。実はこの一〇月一日から私どもで地域福祉権利擁護事業という新しい取り組みをはじめているんですが、これは消費トラブルに遭ったり金銭管理ができない高齢者の方などを具体的に支援する権利擁護事業です。これもただサービスを提供すればいいというのではなくて、その人を支えている非営利の活動の人たちとも手をつないで、しっかり地域に組み込まれたシステムとして対応できるようにしたい。地域の活力を生かした福祉のあり方をみんなで考える、そんな市民感覚の福祉運営をぜひ私どもでも広めていきたいと思っています。

 

 

 

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