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一号保険料の意味

介護保険にやる気のある市町村ほど"補助金"が付く

 

介護保険の財政的な特徴は、一号保険料を国会のチェックなしに各市町村議会独自に決定して、さらにその金額に比例して、中央から全国プールした現役世代の保険料と租税負担分(高齢者の保険料の総額の五倍)が付くという、かつてない独特の財源方式にある。だから高齢化率の高い市町村ほど手厚い補助金が付く(高齢化率が全国平均より低い市町村の二号保険料は、全国プールを通じて、高齢化率の高い市町村へ注ぎこまれる)。

このあたりの仕組みを、もう少し具体的に説明してみよう。たとえば人口一〇万人、高齢化率一五%の平均的な都市のA市と人口一万人、高齢化率四〇%という超高齢化地域のB町があり、一号保険料は同額で二五〇〇円だとする。人口比は一〇対一だが、介護保険の財源の総額は三〇億円対八億円、つまり三・八対一になる(表参照)。なぜか?

 

<高齢化率が平均的なA市の介護保険財源>

045-1.gif

 

<超高齢化地域のB町の介護保険財源>

045-2.gif

(介護保険の財源の割合は前表通りだが、本表では論旨をわかりやすくするために数字を簡略化した)

 

 

 

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