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財源構成のしくみ

介護保険の財源は一号保険料の六倍になる

 

介護保険制度は、介護の必要な高齢者の自立支援システムであるとともに、わが国の地方自治体の自立支援システムでもあるといわれる。その理由は、まさに保険料の設定と介護認定審査会にある。まず保険料(六五歳以上の高齢者に課される一号保険料)の決め方と各市町村ごとの財源規模との関係を、簡単に説明しておこう。

この制度は全国すべての市町村が保険者となり、各市町村内で介護の必要な高齢者の人数を推計し、その人々を地域の社会システムによって支えるために必要な資源量と、その整備のために必要な財源を推計する。これに基づいて、各市町村の1]高齢者の保険料(一号保険料)、2]現役世代の保険料(二号保険料)、これに3]租税負担分をおよそ一対二対三の比率で積み上げてその市町村の財源の総額とする(下表参照)。実はここがミソなのだ。

すなわち各市町村の高齢者が支払う保険料とは、財源の総額から一〇%の利用者の自己負担分(利用料)を差し引いた、残り九〇%の金額の一七%になる。言い換えると、その市町村の財源はその市町村の一号保険料の六倍の金額となる。従って一号保険料を払う高齢者が増えれば、連動して付いてくる二号保険料も租税負担分も、自動的にそれに比例して増額される。だから高齢者が増えても財源の心配はしなくてもよい。なぜなら必要な財源の総額は、その市町村が「これだけあれば大丈夫」と自ら推計したものだからである。

 

<介護保険の財源調整の仕組み>

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1号保険料と調整交付金の総額を1]、その2倍の2号保険料を2]、

この合計金額に等しい租税負担3]を加えたものが各市町村の介護保険財源となる。

調整交付金は市町村の高齢化率に比例して配分する。

 

 

 

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