ですから、行政とも対立するのではなく、パートナーシップを取りながらやっていきたい。今回、あいさつ回りに行った行政の中には、「介護の社会化を進める1万人市民委員会」のメンバーになっている町長さんもいたんですが、彼は、"行政は夢を見られない。でも、市民には夢を持ってほしいし、それをわれわれに語ってほしい。そうすれば市民が何を望んでいるかも見えてくるし、その中から一つでも二つでも実現に向けて努力していきたい"と言ってくださいました。こういう考えを持っている首長がいるのは、本当に心強いですよね」
そして話し合いの結果、もしさまざまな制約があって、行政がやりたくてもできないことがあれば、場合によっては、同会のような市民団体が代わりにやるというケースもあっていいと阿部さんは言う。
「運営・実行は市民団体で、行政には知恵や援助を与えてもらう。互いに連携して、できることを分担していけば、もっと暮らしやすいまちづくりができるんじゃないかなと。企業に対しても同じ提案でできると思うんですが、名付けて、この"バーチャル福祉"を、これからは推進していきたいですね」
同会がこれからめざすのは、市民主導で展開される安心して暮らせるまちづくり。社会的な地位を得て、ますます精力的な活動を展開する『たすけ愛 京築』の今後には、大いに期待できそう。一日も早いふれあい社会の実現に向けて、ぜひとも、がんばってほしい。
1994年12月
在宅福祉サービス団体北九州『あいの会』を訪ね、会の設立を決意。
1995年2月
『京築たすけあい』を設立。
1995年4月
『いのちの聴診器』の支援を得て、市民互助型の団体の設立を準備。
1996年4月
『たすけ愛 京築』が発足。
1998年12月
NPO法人を設立するために、福岡県下でネットワークを組む他の4団体と共に勉強会を重ね、福岡県に申請を行う。
1999年4月
福岡県より、NPO法人としての認証を受ける。
5月13日
登記を終了。
6月5日
総会を開き、NPO法人『たすけ愛 京築』としてスタート。