というのも、最初はうるさい子供たちが出向けば逆に施設に迷惑をかけるのでは、と不安のほうが大きかった。実際子供たちは騒ぐわ、動き回るわで、大声で叱ったこともあるそうだ。しかし、「あまり叱らんでください。ありのままの子供さんの姿がお年寄りにはうれしいのですから」と施設の方から聞かされ、ご本人いわく「新大陸発見のような思い」で目を開かされたと言う。
「スポーツ少年団というのは、プロを育てる団体ではありません。素質のある子はプロをめざしますが、プロになれない子が九九%。それだけに技術だけでなく社会性、あいさつはきちんとするとか、使ったグラウンドはきれいにするとか、そういう心の部分もしっかり教えることが大事なんです」と辻さん。「サッカーさわやか広場」は辻さんが二〇年間、サッカーの指導を通して行ってきた「心の教育」の新しいチャンネルでもある。