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というのも、最初はうるさい子供たちが出向けば逆に施設に迷惑をかけるのでは、と不安のほうが大きかった。実際子供たちは騒ぐわ、動き回るわで、大声で叱ったこともあるそうだ。しかし、「あまり叱らんでください。ありのままの子供さんの姿がお年寄りにはうれしいのですから」と施設の方から聞かされ、ご本人いわく「新大陸発見のような思い」で目を開かされたと言う。

「スポーツ少年団というのは、プロを育てる団体ではありません。素質のある子はプロをめざしますが、プロになれない子が九九%。それだけに技術だけでなく社会性、あいさつはきちんとするとか、使ったグラウンドはきれいにするとか、そういう心の部分もしっかり教えることが大事なんです」と辻さん。「サッカーさわやか広場」は辻さんが二〇年間、サッカーの指導を通して行ってきた「心の教育」の新しいチャンネルでもある。

 

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お年寄りたちも積極的に的当てPK戦に参加。

 

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参加したお年寄りと子供たちが一人ひとり握手して「サッカーさわやか広場」の幕は閉じる

 

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「サッカーさわやか広場」は、お年寄り、子供たち、Jリーガーという三者のふれあいの場であり、この三者が主役ではある。しかしこの広場はそれ以外の多くの人に支えられている。これまでにも参加クラブチームの支援企業の社員、開催地の市長、近隣の市民団体らがボランティアで参加した。企業が子供たちへのプレゼントを支援したことも。また子供たちの母親(お父さんが少ないのは残念だが…)、少年サッカーチームの指導者の人たちもボランティアとして動いている。

 

 

 

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