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「子供たちが、その憧れであるJリーガーと一緒に何かをするというのはとてもすばらしいことです。現在、Jリーグの新人選手には何らかのボランティア体験を義務付けていますが、そのためのいい機会になりますし、地域とふれあうまたとない機会ともなりますから」

Jリーグの新人選手は例年約一〇〇名。毎年二月に新人研修会が開かれ、研修会終了後からその年の五月までの間に、地域で何らかの社会貢献活動を行うこと、そして試合の裏方ボランティアを一回は経験することが求められている。

「地域の人との深いつながりをボランティアを通じてつくり出し、そこからクラブチームがさらに地域と密着していってほしい」と岡田さん。

たとえば熱狂的な地元サポーターを持つ浦和レッズ(埼玉県浦和市)では新人選手をはじめ、その他のメンバーも含めてすでに四回参加。広報部長の中村修三さんは、「優勝をめざすのは、プロチームなので当たり前のことです。けれど、それだけならうまい選手を多額の年俸で多く雇えばいい。でもそれだけではなく地域を豊かにすること、というのが浦和レッズの考え方の一つにあるのです。地域に根付いて豊かな社会をつくるためには豊かな人が集まらなければできない。ですから人づくりがひとつのテーマなのです。この交流によって子供たちも成長する。そうした貢献もできるようにと考えています」と岡田さん同様の思いを語る。Jリーグの理念が各クラブにもしっかりと根を下ろしている所以だろう。

これまでにJリーグ・ユースチーム計一一チーム、延べ七一選手が参加している。ちなみに、川淵チェアマンをはじめJリーグ当局の深いご理解から、これらサッカー双六のパネル作成費などの経費はJリーグ側が全額負担してくれている。

 

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浦和レッズの中村修三さん。

 

サッカーさわやか広場は子供たちの心の教育の新たなチャンネル

 

こうしてJリーグ側の暖かい支援を頂戴しながら着実に回を重ねてきた広場だが、参加した選手自身はどう感じているのだろうか?

 

 

 

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