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送られてくるデータを読んで安否を確認しているボランティアさん。

 

必要経費は福祉ネットワークの会員一八○人から徴収する二○○○円の年会費でまかなわれている。

つねさんに限らず利用者のほとんどが「自分の安否を見守ってくれる人がいるということが、安心感につながっている」と言う。中には、お茶を飲みたいわけではないのに、「元気ですよ」の信号を送るために給湯ボタンを押すお年寄りもいる見方によっては、血の通わない機械に頼るシステムを、都会の冷たさと感じる人もいるだろう。しかし、ケーブルを通じてつながり合う両端には、確かに見守る人と見守られる人同士の見えない絆ができているのである。

 

八人のボランティアが交代で

 

こうした人のぬくもりの源には実はボランティアの力が大きく作用している。信号データの“向こう側”、福祉ネットワーク本部のコンピュータ上で、送られてくるデータを読み取り、利用者の安否を確認しているのはボランティアの仕事だ。

場所は福祉ネットワークの本部。網野さんの医院のすぐ裏手にある。福祉ネットワークの会長を務める村上徳栄さん(七六歳)が持ち家を提供してくれたものだ。同ネットワークの会員から八名が、毎日、午前組、午後組に分かれて本部に詰め、ここで信号データを確認する。このうちの一人は網野さんで、日曜日の担当。

 

 

 

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