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また、給湯ボタンを押してお湯を出したり、炊飯ボタンを押してご飯を炊く操作をすると、「スイッチオン」の信号が発生する。

こうした三種類の信号は家庭内の電気配線を通って伝わり、受信器が受け取ってデジタル信号に変換、そこからパソコン電話につながって、ICメモリーカードに記憶される。そして、使用時刻とともに記憶された三種類の信号データが、午前一〇時と午後五時の二回、まとめて自動的に電話回線でネットワーク本部のコンピュータへ送信されるという仕組みだ。

送られてくるデータが「電源投入」信号と「スイッチオン」信号ならば「元気でいるな」、反対に、電源は接続されているのに一度も「スイッチオン」信号がなければ「どうしたんだろう?」ということになる。

左図のように設置は至って簡単。電気ポットや炊飯ジャーとパソコン電話、受信器をコンセントでつなぐだけでいい。一度設置してしまえば、機器類のトラブルがない限り、保守点検する必要もない。

 

見守られている安心感

 

この町で在宅医療に携わる網野さんは、自らも患者にこのシステムの導入を働きかけてきた。「設置を勧めると、機器をいじらんでもいいのなら取り付けていいよ、と応じてくれるんですよ」

現在、このシステムの利用者のほぼ半数は、網野さんが看ている在宅のお年寄りたち。“高齢になっても住み慣れたわが家で”の思いを支える頼もしい味方になっている。

そのうちの一人、園山つねさんを訪ねた。年は、何と九四歳。

 

 

 

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