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民主主義のやり方をまったく間違えて単に多数がいいというようなやり方がまかり通っているところにも問題があるんですね。

堀田 外部の手も借りて、とにかくお医者さん方に意識改革をしてもらう。主体は患者本人である、お医者さんは話を聞いていろいろ教えてあげればいい。そうなると先ほどおっしゃったように、私たち自身も病気は自分で治すんだ、健康は自分の力で保つんだという気持ちが強く必要になってきますね。生活習慣病という言葉も先生が広められて、それから健康年齢という考え方が広く言われるようになりました。

日野原 動脈硬化とか高血圧とか糖尿病とか、一度かかったらずっと治療が必要な慢性病、習慣病にならないようにしましょうと。国民としてそれを実践するだけでも国家にとても大きな貢献になるわけですから。

堀田 私は今、医療保険福祉審議会の素人委員をやってますが、やっぱり予防医学ということを医師会のほうからおっしゃるんです。そうすると大宅映子さんとか、私の人生だからほっといて、そこまで指示しないでほしいという委員の声も出て、どういう解決策がいいのかなと思っておったんですが、やはりお医者さんが指示するというのではなく、自分から必要性を感じて動けるような環境づくりが必要なんですね。

日野原 本人がしなければ、馬を引っ張って水を飲め飲めといっても飲まないのと同じでしょう。もっと放っておくことも必要です。そうしないと過保護になってしまうし、自覚も生まれませんから。

 

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