伊丹 キラー細胞はとても繊細で、悲しみや不安な気持ち、それに日常のストレスでもかなりの影響を受けることがわかってきています。最近、うつが多いですね。日本人の一般市民の七%がうつ状態といわれていますが、がん患者さんは調査すると四五〜五五%がうつ。そうするとますますキラー細胞が弱くなるわけです。
堀田 悪循環ですね。がんになったら死を恐れるのは自然の心の動きですが、でもただふさぎ込んでいれば活力を失って、どんどんがん細胞を喜ばせてしまうんですね。
伊丹 日本では自分がうつだなあと思っても、なかなか自分から気軽に専門家に相談して適切な治療を受ける人が少ないでしょう。私どもの病院でもボランティア活動で無料電話相談をしたりしていますが、この面でも早い対策が非常に大切なんです。