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伊丹 キラー細胞はとても繊細で、悲しみや不安な気持ち、それに日常のストレスでもかなりの影響を受けることがわかってきています。最近、うつが多いですね。日本人の一般市民の七%がうつ状態といわれていますが、がん患者さんは調査すると四五〜五五%がうつ。そうするとますますキラー細胞が弱くなるわけです。

堀田 悪循環ですね。がんになったら死を恐れるのは自然の心の動きですが、でもただふさぎ込んでいれば活力を失って、どんどんがん細胞を喜ばせてしまうんですね。

伊丹 日本では自分がうつだなあと思っても、なかなか自分から気軽に専門家に相談して適切な治療を受ける人が少ないでしょう。私どもの病院でもボランティア活動で無料電話相談をしたりしていますが、この面でも早い対策が非常に大切なんです。

 

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3時間の笑い体験の直前直後のキラー細胞活性の変化

○内の数字は被験者の別を表す。

 

19名のうち8名は何らかの病気で通院している人。測定不能の1例を除き、18例中13例にキラー細胞活性の上昇がみられた。下降を示した4例はもともとキラー細胞の活性が基準値よりも高い人で、下降したといっても基準値の上限以下には下がっていない。キラー細胞活性がもともと基準値を下回っていた5例は全員、正常範囲内ないしそれ以上にまで上昇している。(『ガンを退治するキラー細胞の秘密』伊丹仁朗著・講談社より)

 

 

 

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