私どもの病院の近くに医療福祉大学がありましてね、学生さんが週に一回ボランティアで来てくれて、病院の中でカラオケしてもらってるんですよ。
堀田 カラオケですか ? それでもキラー細胞が強くなる ?
伊丹 病棟から、希望の方を集めて。歩けない方は車イスで。嫌いな人はかえってキラー細胞が弱くなっちゃいますけど、好きな人が歌うと強くなるんです。そういう実験データがあります。あと、女性でしたらお化粧療法もいいんですよ。高齢の女性の、長期入院患者さんを対象に調べてみたら、多くの人がお化粧をするだけで気持ちが前向きになるという心理的効果だけじゃなくて、明らかにキラー細胞が強くなっているという報告もあります。
堀田 それはうれしいですね。私どもが連携させていただいている草の根のボランティア団体、全国に数多くありますが、化粧ボランティアですとか、いろいろなふれあいボランティア活動に一生懸命に取り組んでいるんです。それが、相手の方の心だけでなく身体にもいい影響を与えているとお墨付きができてみなさん自信になるでしょうし、とっても喜びますよ。
生きがい、プラス思考が健康長寿の秘訣
伊丹 ボランティアの方の力は本当に大きいと思いますよ。震災でもボランティアにずいぶん多くの方が出かけて行って、被災地の方のストレス回復にどんなに役立ったか。被災者のキラー細胞を測定したデータがありまして、多くの方が全国平均のレベルよりかなり下がっているんです。
堀田 あれだけの震災ですから、相当強い心の痛みを持たれて当然ですよね。