次々来るんです。地震の最中には「タンスが倒れて、タンスがダンスを踊ってた」とか、「あわてて電話を取ったけど、電話は出ンワ」とか。
堀田 あの状況の中で。すごいですね。
伊丹 あとでおっしゃるには、今までがんという人生の困難に前向きに対処する努力をしてきたことが震災の時も同じように役立った、がんも震災も基本的には同じ人生の困難ですからと。他にもいろいろな方の例がありますが、ユーモアスピーチに取り組む過程で、だんだん人を笑わせるのが楽しくて仕方なくなってくる。そうして病気や困難に負けず前向きに生きようという自覚が出てくるんですね。
ボランティアも加わってより効果的な医療環境づくりを
堀田 お話を伺っていると、医学がこんなに進歩しているのを知ってとても頼もしくなります。さらに西洋医学的な観点から因果関係がはっきりしていけば、日本でも臨床現場にもっと取り入れられてくるんでしょうが、日本はまだまだ技術優先の医療ですね。
伊丹 病院の中で笑ったりするのは不謹慎だとか、ですね。
堀田 非常に生意気ながら、私は医療の主体は患者であると医療保険福祉審議会でも言っておってしばしば日本医師会代表の副会長さんと見解が違ったりするんですが、やはり患者さんがまず自分で治したいという気持ちが基本ではないでしょうか。