このままでは、利用者のQOLを下げ、ほこりをかぶる福祉用具を増やしかねない。また、利用者がその使用方法をきちんと知る機会が少ないために宝の持ち腐れになっていることも少なくない。福祉用具は、利用方法のノウハウといったソフトウエアと一体となって使用されて初めて本来の効用を発揮できるモノなのだ。
福祉用具が、要支援・要介護高齢者の生活を真に支えるようになるためには客観的な評価に基づく最適な福祉用具の選定、その利用方法の指導等の付随的サービスが不可欠である。人々が自ら福祉用具を選ぶようになると、一層、このようなサービス提供の基盤整備を行う必要がある。
具体的には、このようなサービスにかかわるマンパワーを何らかの形で、介護保険制度の中で評価するような仕組みをつくるとともに、利用者への福祉用具供給の接点となる介護ショップや小売店などに、福祉用具の選定等に関して適切な指導とアドバイスができる人員を配置することが重要であろう。