また、医療や福祉の現場で働く方々にも、福祉用具について基本的なことを習得してもらえるように研修制度等で福祉用具に関する講座を拡充することも重要だ。
●福祉用具を「特殊な器具」から「普通のモノ」へ
福祉用具の適切な利用を進めるためには一般の人々が福祉用具とはどんなモノであるのかについて正しい知識を持つことが前提である。一般消費者の意識は「介護はできれば温かい人間の手ですべきだ。冷たい福祉用具は、やむを得ないときにのみ使う」という程度であろう。これは福祉用具がまだ「生活用具」となっていない証拠である。家電製品が普及する前には、電子レンジや洗濯機を使うことは家事の手抜きだとする時代があったことを彷佛とさせる。今や家電製品を使うことが、主婦の家族に対する愛情不足であると非難する人はいまい。