こうした成果の一方で、活動を続けていく中で、さまざまな問題や悩みも生じていると植野さんは正直に告白する。ひとつは、事務所スタッフには謝礼金すら払えないという厳しい運営資金の問題。これに関しては、賛助会員を増やすとともに、NPO法人格を取得することで安定した運営基盤をつくろうと、現在努力の真っ最中。もうひとつは、活動方針も含めた人間関係のむずかしさだ。
「たとえば、送迎の際に、利用会員のグチやら家庭内のもめごとまで聞かされたとき、聞くのも援助の一つと思える方もいれば、思えない方もいる。また、"子供が隣に住んでいるのに、何で食事作りまでしなきゃいけないの"と訴えてくる方もいる。基本的にはみんな"助け合い"という同じ方向を向いてはいるけれど、生まれ育った環境も違えば、在宅ケアに対する考え方も人それぞれ。