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思いが強いだけに、ぶつかり合いもある。これを調整するのは、並大抵なことではありません。さらに、在宅ケアをするということは、いや応なしにその家庭の事情もわかってしまうわけですが、相談を受けたときなどは、家庭内の問題に他人である私たちがどこまでかかわったらいいのかという迷いもある。いずれも一朝一タにして解決できることではありませんが、みんなで試行錯誤をしながら、いい方向に向かっていけるよう、がんばらないと」

代表者としての苦労も多いことだろうが、いわば、これもふれあい社会実現の過程での産みの苦しみと、植野さんの姿勢は常に前向き。その決意の表れのひとつとして、近い将来には、デイホームも開きたいという目標も持っているという。

「今の事務所はVネットに間借りさせてもらっているので、なかなか仲間が自由に集まることができない。ですから専用の事務所を持って、そこで子供からお年寄りまでが自由に出入りできるデイホームも開けたらと思っているんです。そうすれば、一対一でかかわる在宅サービスとはまた違ったふれあいも生まれてくるはず。私が子供の頃に体験したような、温かなふれあいがね」

共に生きる暮らしをめざして奮闘する、『人人』のさらなる発展を期待したい。

 

1996年

3月31日 準備委員会発足。

4月 下今市市在宅サービス団体『ウェーブ』見学。

4月16日 『人人』と命名。

6月 訪問看護ステーション『星ヶ丘』訪問、介護研修。入浴介助研修。

7月 訪問看護ステーション『虹』訪問、介護研修。グループ横浜『たすけあい』見学。さわやか福祉財団主催のリーダー研修会に参加。説明会開催。

8月 各企業にあいさつまわり。

8月8日 『人人』発足。

 

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秋の一日。紅葉を見ながら、落鮎に舌つづみ…。

 

 

 

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