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私は特別職ですからともかく、本当にまじめにやる行政マンが訴えられているんですね。まさに守秘義務、官優先というシステムが生んだ名残なんです。でも、みなさんと共有して進めれば訴えられないようにもなるわけです。

堀田 これまでのように「行政が全部やってくれるだろう。困ったら行政に頼み、やらなければ文句を言っておればいい」というのでは温かい社会はできない。そんな甘えた意識は住民も変えなくてはいけませんね。おっしゃるとおり住民も自ら動く。そして相応の責任も共有する。

北川 行政は審判に変わるべきなんです。「どうぞご随意にやってください。そのかわり、公平か公正かはジャッジさせてください」という事後チェック型ですね。そうしないと行政自体も持たなくなりますよ。

堀田 来年の四月から公的介護保険制度が施行されれば、これは住民の権利ですから、対応の仕方やよその市町村との比較で当然いろいろな声が起こります。訴訟はさらに増えるでしょうしね。

北川 (うなずく)

堀田 昨年の秋あたりから凍結論、延期論がかなり出てきました。かなり多くの自治体の本音は、今になって「住民のためにこれだけやらなきゃいけない」ということに気付き、でもやれない。「大変だから延ばしてくれ、介護は家族でやってくれ」と。行政は住民のためにあるんじゃないのか? そんなわかり切ったことをこの時期に言わなければならないのは本当に心寂しいですね。要するにご指摘の情報公開。住民も本当の現状を知っていけば納得しますよ。

北川 まったくそのとおりですね。三重県内の対応で言えば、六九市町村ありますが、その中で一〇ぐらいが広域連合を組んでやっていただけると思います。その中もすべてオープンにしながら、三〇〇〇人とか五〇〇〇人の町同士で競争するんではなしに、五万、一〇万と、それぐらいの単位でお互い良き競争相手としながら、進めていければと。なかなか大変ではありますが。

 

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