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堀田 いい仕組みですね。最近、広域連合に注目が集まっていますが、費用対効果、住民サービスの適正化という意味で適正規模ならすばらしいし、でも規模も何も考えない、ただみんなで低いほうに足並みをそろえようとか、よそに押し付けて逃げようとか。こうなると恐いですよね。この介護保険制度も言ってみれば、住民参加、地方分権の試金石ですし、自治体さんも苦しいでしょうが何とかがんばってほしいものです。

北川 これからの多様な行政需要に多様な供給をするためには、やはり「小さな政府」なんです。そのためにも地方自治体は自らの足で立つという志が強く求められます。権限と責任があいまいな中央集権システムでは、いつまでたっても自立もしないし情熱もわきません。NPOの方、あるいは企業、組合、利益団体、そして個人の方などみなさんとのコラボレーション(連携)、パートナーシップで、みんなが自由自在に動けるような社会体制をつくり上げていく。壁も数多くあるでしょうが、ピンチであるほどチャンスなんだと。そういう気持ちでチャレンジしていこうと。それができて初めて本当の意味での民主主義であり、世界の流れに通用していくのだと思います。

堀田 すてきなお話をご披露いただいて、大変勇気が出ました。これからもぜひ注目させていただきます。ありがとうございました。

 

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本稿は、1999年2月4日に開催されたシンポジウム「NPO・ボランティアによる新しいふれあい社会の創造III」(於・abc会館ホール)時の対談内容をもとに編集したものです。

 

 

 

 

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